その2妹・直の場合
「直、この前直が買った推理小説貸して。」
「良いよ。」
直の本棚。それは二重本棚になっている。表向きは普通の本。マンガ、参考書が綺麗に並べられている。
だが、ひとたびそこを開けると、
「……オイ。」
「サクちゃん!そこは開けちゃだめだって!」
椅子から降り近づいてくる。
そう、BLの小説、マンガ、アンソロジー、ゲームが綺麗に入っている。あたしからしてみれば魔窟以外の何者でもない本棚。
「直…この前より増えたね。」
笑顔で静かに言い放ち振り返ると直は「アハ」と固まった。
「減らせって言ってんだろ!アホー!!」
「だって、だって!!」
「だってもクソもねぇ!非生産的だろうが!」
叫ぶと直は「チッチッチッ!」と指を振った。
「甘いな、サクちゃん。これは乙女心を生産してくれるんだな。」
腐女子心の間違いじゃ。と言うか腐女子って言葉覚えちゃってる時点であたしもダメだわ。
「あんたさ、中学生の時は普通に好きな男の子いたじゃない。」
「そうなんだけどさぁ、その人超かわいいタイプでさ、かっこいいタイプのクラスメイト男子といちゃついてる姿<見たら目覚めちゃったんだよね。」
うん、多分いちゃついてない。この子の思考どうなってるのかしら。
「兄貴とか晄とか何も言わないの?」
「晄は何も言わない。蓮クンは読んでるよ〜。」
おぉぉぉぉぉい!!あんのバカ兄貴ィ!!
「で、でもさ久々に直そろそろ現実に目を向けてみても良いかなぁって。」
そっと直を見ると俯いてあたしを下から睨みつけていた。
「うるせーよ。無趣味女。」
ドスのきいた声。地雷踏んだ〜!!
「人が何好きだろーが勝手だろうが。無趣味なうえ恋すらした事もねぇ女に言われたかねぇんだよ。あぁん?」
暴風娘め、あたしは別に無趣味じゃない。
「はいはい、どーもすみませんでした。」
確かに好きなことに文句を言われたくないだろうけどね。
教訓・のめり込みすぎるのは止めましょう。
NEXT(その3弟・晄の場合)
直ちゃん編でした。直ちゃんはうちの妹に近い…。妹も二重本棚欲しい!!って叫んでます。
妹は直ちゃんがお気に入り。さて、次は桜の次に織田家でまともな晄クンのお話です。
2006,7、水城由羅