その1兄貴・蓮の場合


「兄貴ー!!」
兄貴の部屋を開けると、今日も彼はギャルゲーをやってました。黙ってれば超絶美男子(って周りから言われてる)なのに
「なんだ〜、桜。」
とりあえず、画面から目を離せ。
「友達から兄貴宛にラブレター預かってきたんだけど。」
ヒラヒラとラブレターを振る。あぁ、この子に、このバカ兄貴の姿を見せてやりたい。
「机の上にでも置いておいてくれ。」
「うん。」
なんかこんなダメっぽいくせして告白してきてくれた子にはきちんと返事返すんだよね。
なんで誰とも付き合わないんだろう?
「ねぇ、兄貴。」
「んー。」
「どうして兄貴はそっちに目覚めちゃったわけ?」
兄貴はすごい形相でこちらを向き私の肩を思い切り掴んだ。
「聞いてくれるか!妹よ!!」
ヒィィィィィ・・・・。
「う、うん・・・」
「そう、あれは俺が小6の時だった。杏子ちゃん覚えてるか?」
「うん、よく家に来てた兄貴が好きだった子だよね?」
うろ覚えだけど確かふんわり系のかわいい人だった気がする。
「そうだ、実は卒業式の日告白したんだ!そしたらなんて言われたと思う?」
「何?」
他に好きな人がいるとかかなぁ、それか彼氏?

「『私、皇牙クンが好きなの。』だって。しかも皇牙クンって誰だと思う?乙女ゲーのキャラだぜ。主人公クラスさ!!俺は勝てないと思ったね。そして俺の6年間はなんだったのかと!!」


滝のような涙を流す兄貴に不憫さを感じた。ど、どうしよう。この人。
「で、でも兄貴もてるんだから現実の子と付き合っても・・・」
「浮気されたら?二股かけられたら?別れようって言われたら?」
涙流しながら顔近づけないでくれる?怖いから。
・・・っつかさ、ギャルゲーや乙女ゲーで二股とかやってる友達見たことあるけど、キャラは良いんかい!!・・・にしてもそうとうなトラウマだね。
「そういう子ばかりじゃないと思うよ。心から兄貴を愛してくれる子が現れるから。」
「桜・・・」
うん、言いたいことは言った。
兄貴は私の片手をそっと両手で包む。
「じゃあ、桜は大丈夫か?」
・・・・・・・・・・・・はい?
「兄貴、今やってるゲームは?」
「シ●プリ」

「アホ兄貴!!」


一発鳩尾に蹴りをいれ気絶させる。この兄貴に早く三次元の彼女ができることを祈るばかりだ。

教訓・トラウマから逃げるために現実逃避はやめましょう。


NEXT(その2妹・直の場合)
兄貴編終了。兄貴は妙に仲間内で人気のあるキャラであります。
直編、晄編にも少々名前だけ出てくる予定。
ギャルゲーとかやったこと無いですよ。

2006,6、水城由羅