その4父・光慶の場合
童顔、美少年系、直に言わせれば受(娘に言われちゃおしまいだ)な父親光慶。
「桜、新しいのだよ!」
バーンとドアを開けられそこにいた父の姿に驚き思わず目を見張った。
「そ…それは?」
「今度やるコスだよ」
ニコニコと笑う父さん。
えっと、学ランですけど?しかも、妙に似合っちゃってるし。
きっとこれは目の錯覚だわ。
「父さんは今年でいくつだっけ?」
「え、40だけど」
40の親父が学ランが似合うってどうよ?
思わず溜息を漏らす。学ランの似合う40の中年。
「皆で合わせやるんだ」
「皆?」
眉をしかめる。
「イベントで知り合った人達。イベントはすごいんだよ。いろんな人と知り合いになれるんだ。確かにコスや万が好きな人ばかりだけど他にもいろいろ知れるんだよ」
優しい目をして父さんは語った。その言葉にあたしは少し胸を打たれた。
父さんの姿が学ランでなければ!!
私が向ける生暖かい目を父さんは理解したんだと勘違いしているようだった。
「因みに母さんとの出会いもイベントでだよ」
「…はい?」
えっと、生まれて初めて聞いたんですけど。
「母さんが本のモデルになってくれって」
うわ〜、それいろんな意味でイヤだわ。
だんだん顔が引きつってくる。父さんはそんなあたしを気にせず母さんとの馴れ初めを嬉しそうに語り続けていた。
学ランで。
いい加減うざくなってきたそんな馴れ初め聞きたくもなかったし。
「父さん」
にこりと笑い父さんを見ると父さんも極上の笑顔で返してきた。
「何だい?」
「服装直して出直してこいやぁ!」
ビシッと扉を指差し般若のような顔で怒鳴りつけると父さんは慌てて出て行った。
まったくいやんなっちゃうっぜ。
教訓・言葉と服装をきちんと合わせろ。
NEXT(その6母・透花の場合)
パパ編です。なんとなくパパはおっとりさんなイメージが。しかも童顔ってありえないよなぁ。学ラン似合っちゃうし。
多分、服は自分で作っているんだと思われます。
2006、8、水城由羅